「GOOD FLOWな人」vol.1 Tenさん
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「GOOD FLOWな人」とは
外に向けて、「良い循環」や「いい流れを感じる」活動をされている方々を、GOODFLOWの視点でご紹介するインタビュー企画です。
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PROFILE
ten
1998年生まれ。新潟育ち。
音楽と本とお風呂が好きです。
「解決しないおしゃべり会」という会を主催しています。安心して話せる・聞けるゆったりとしたおしゃべりの場をつくっています。
Q.記念すべき第一回にご出演いただき、ありがとうございます。tenさんが行っている活動について教えてください。
“解決しないおしゃべり会”というおしゃべり会をオンラインで不定期に開いています。名前のとおり解決を目指さないことをモットーに、それぞれ思っていること・考えていることをただ話す、ゆっくりとしたおしゃべりの場です。
最近だと「屋号を持って活動すること」や「愛されるよりも愛したいマジでって思ったことある?」というテーマでおしゃべりしました。テーマはあったりなかったり。最近はゲストを迎えた回もやっています。フリーテーマの日は参加者の方に話したいテーマを持ち寄ってもらっています。
まだまとまっていない柔らかな言葉も安心して話してもらえるように、「よく聞く」「話したくないことは話さなくてよい」「解決や答えを目指さない」という3つのルール的なものを設けながら活動しています。
Q.なぜこの活動を始められたのですか?
頭の中で煮詰まっている考えを放出する場が欲しいという自分の欲がきっかけです。わたしはいつも頭の中で何かしら考え事をしていて言葉で頭がぱんぱんなので、常々どこかに吐き出したいと思っていました。
人に相談することが苦手という性格から、話した相手に重荷を背負わせずにただ話せる場を求めていたのですが、よく考えればそういう場ってあまりなくて。無いなら作ってみるかと思い立ったのが活動を始めた理由です。
周りに自分の屋号を持って活動している人がいて自分も何かやりたいと思っていたときに、好きな本屋さんで開催されていたお話会のイベントに参加して、他人と話すことの気楽さや安心感を知って、こんな空間をわたしも作りたいと思ったことを形にしてみました。
Q.活動を通じて得た、感動的な体験はありますか?
2月くらいから6月までどんなに告知をしても参加者が集まらなくて、このおしゃべり会は必要とされていないのかなと意気消沈して活動を休んでいた時期がありました。そうしたらインスタのDMで、「いままで日程が合わず参加できなかったのですが、今後開催の予定はありますか?」とメッセージをくれた方がいました。こういうメッセージをもらうことは初めてでした。
メッセージをきっかけにその方とお話しすることになったのですが、直接の言葉で応援していると伝えてくださってとても嬉しかったです。見てくれている人はいたんだなと元気づけられたと同時に、どんな形でもいいからこのおしゃべり会は辞めたくないなと自分の意思を再確認できた出来事でした。
Q.参加者のみなさんに、どのような影響があると感じていらっしゃいますか?
参加してくださった方からは「“解決しない”と掲げているからこそ気軽に話せた」「おしゃべりの中でいろいろと考えや問いが広がり、余韻の残る時間だった」という声をよく聞きます。ビジネスの場では簡潔に物事を伝えることが求められ、プライベートでも話のうまさが重視される今の世の中で、言葉に詰まったり話が冗長でも安心して思ったことや考えを素直に話せる場は少ないと感じています。
「解決しない」ことを掲げておしゃべりをすることで、上手にまとまった話ををしなくてもいいという安心感を体感してもらえたら嬉しいです。また、人の考えや悩みを聴いている時にはどうしてもアドバイスや「〜したらこうする」という考えが浮かびがちかと思いますが、このおしゃべり会ではその思考を一旦横に置いて人の話を聴こうと提案をしています。なので、話の終着点が見えなくてもじっくりと最後まで人の話を聴く練習の時間にもなっているのかなと思います。
Q.活動をされる中で、直面した困難や壁はありますか?
いま1番困難に感じているのは、参加者を集めることです。おしゃべり会なので人がいないと始まらないのですが、参加しやすい日時の設定や参加したいと思えるテーマの設定がなかなか掴めていません。興味はあるけど初対面の人と話すという点にハードルを感じている人や、そもそも話すことは苦手だけど空気感は知りたいという人もいるのではと思って、最近はゲスト回をつくって聞くだけ参加もOKにしています。
SNS上だと誰がどのくらい興味を持って投稿を見てくれているのかがわからないので、モチベーションの維持が大変です。参加のハードルを下げることでこの会の雰囲気を知ってもらって、いつかおしゃべりする側として参加してくれる人が増えてくれたら嬉しいです。
Q.最後に、今後の目標や展望について教えてください。
まずはどんな形でもいいのでおしゃべり会を続けていくことが目標です。最低でも月1回のペースで、地道にぼそぼそと続けていけたらと思っています。安心して参加してもらえるように、どんな人間がこの会を主催しているのかも言葉で伝えていきたいとも考えています。もう少し興味を持ってくれる人が増えたら、カフェなどでのオフライン開催や一対一でのおしゃべり会、どこかへのイベント出展もしてみたいです。
これまででだいぶ一人の限界的なものを体感したので、今後は色々な人の力を借りて活動を広げていきたいです。気負いせず安心して話せる・聞ける空間が少しでも多く存在する社会にしていきたいと考えているので、そのために小さな範囲から行動をしていけたらと思っています。
−まとめ−
「解決しないおしゃべり会」に参加してみて驚きました。はじめはシンプルな座談会くらいに思っていたのですが、話していくうちにバラバラだったテーマが繋がったり、思ってもみない考えに出会えたり、新しい自分を発見もでき、最後には脳のフルマッサージを受けたような、緩みと開放感を得られる、そんな会です。解決を目指さないこと、傾聴すること、自分の考えを素直に語ってみること。
人前で話すことが苦手な方でも大丈夫。優しい場に安心できます。ぜひ一度体験してみてください。
これからも、素敵な活動をされている方々を、GOOD FLOW視点でご紹介してまいります。